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研究内容 in English

☆データ駆動プロセッサを核とするネットワーキングアーキテクチャ

 データ駆動プロセッサは、データが揃った演算を実行可能とする、本来的に並列処理に適した動作原理を具現化したプロセッサです。このため、逐次型(ノイマン型)プロセッサの文脈切換えのようなオーバヘッドがなく、同時処理するパケット数などを示す多重度が実行時に増加しても、負荷が設計目標を超えない限り、ターンアラウンドタイムが一定に維持され、実時間処理を保証できます。したがって、トラフィック(≒同時処理するパケット数)の増加に対処して実時間制約を保証する必要があるネットワーキング処理に原理的に適したプロセッサです。このデータ駆動プロセッサを核として、ネットワーキング方式からVLSI実現法までにわたるネットワーキングアーキテクチャを研究しています。

☆最近の研究成果:データ駆動チップマルチプロセッサ(CUE-v3、ULP-DDCMP)

 CUE-v3は、データ駆動実行と制御駆動(ノイマン型)実行を同時に実現し、並列処理に適したデータ駆動プロセッサと、逐次処理に適したノイマン型プロセッサの双方の利点を取り入れることに成功した、ハイブリッドプロセッサを4個搭載するチップマルチプロセッサです。総務省戦略的情報通信研究開発制度(SCOPE)のプロジェクト「アドホックユビキタス通信環境向きデータ駆動ネットワーキングプロセッサの研究開発」(2006年~2008年)においてVLSI試作し、搭載するプロセッサ数に比例したスケーラブルな性能向上が実現できることを確認しました。さらに、平成19年度より独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)のプロジェクト「超低消費電力化データ駆動ネットワーキングシステム」(2007年~2012年)において、アドホックネットワーキング処理の超低消費電力化を目的に新しいチップマルチプロセッサの研究を行いました。具体的には、 CUE-v3のハイブリッドプロセッサを電力効率よくシンプル化した超低消費電力化データ駆動プロセッサULP-CUEを提案して、その実証実験として4個のULP-CUEを搭載するチップマルチプロセッサULP-DDCMPをVLSI試作し、アドホックネットワーキング方式と合わせたネットワーキングシステム全体の消費電力を従来の1/180程度にまで削減できることを確認しました。

☆2013年~最近の研究活動

 現在は、通信を阻害する輻輳の発生を抑制できるディペンダブルなネットワーキング環境の実現をめざしています。具体的には、輻輳を誘発するトラフィック増加を抑えるため、経路制御により経路外のトラフィック増加を排除する通信と、経路制御情報によるトラフィック増加を排除する放送を、通信状況に応じて使い分けて融合的に利用可能とするように、アドホックネットワーク(端末同士が情報を直接授受するネットワーク)を発展させています。このために、(1)通信と放送を融合的に利用するアドホックネットワーキング方式と、それを実現するために不可欠な実時間処理基盤として、(2)超低消費電力性を持つULP-DDCMPを発展させたデータ駆動プラットフォーム、などを研究しています。

(国内特許取得済み、国内外特許出願中)

ULP-DDCMPチップとその検証・評価ボード

●研究

極めて独自性の高いプロセッサの研究ができます。また、ネットワークから回路までにわたるシステム全体の構想や設計さらに検証や評価を経験できます。

●設備

最新鋭のワークステーションやストレージ装置があり、ネットワークから回路レベルまでの各種設計・検証・評価作業に不自由しません。新たに配属される学生のために、十分な作業スペースと最新のPCを揃えて、待ってます。

●雰囲気

がんばって研究成果を出せば、国内外問わず随時発表に行けます。今年は既に、ラスベガス(米国)に行きました。博士課程に在籍する社会人も3名いますので、少し早い社会人体験もできます。

●就職へのアドバンテージ

他の大学に加えて、国内の通信事業者やメーカーとの共同研究・開発に携われます。その中で、システム設計のノウハウの習得や作業業務委託先とのやりとりを通じた貴重な経験も獲得できます。

●募集人員 3人

何かを創造したい人待っています!

●研究室説明会

研究室の説明は、いつでも行います。15分から1時間程度で調整できます。

●日時 随時

場所:理科系修士棟3階D306 アクセス

また、研究室をちょっと見学したい、といったことも常時受け付けています。見学等を希望している方は、希望日を事前に連絡してください。

●お問い合わせ

E-mail: san@cs.tsukuba.ac.jp(西川研究室 三宮)


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